


結論からお伝えすると、ゲーミングチェアのクッションは、すべての人に必須ではありません。
大切なのはクッションを付けることではなく、背中や腰がしっかり支えられ、無理のない姿勢で座れているか?です。
この記事では、ゲーム歴25年の筆者が、OSHA(米国労働安全衛生局)が公開しているパソコン作業用の椅子のガイドや、メーカーの公式資料をもとに、クッションの使い方を整理しました。
- 腰用・首用・座面用クッションの役割の違い
- ランバーサポート(腰用クッション)とヘッドレスト(首用クッション)の合わせ方
- クッションが合わないときの対処法と、外すかどうかの判断基準
- 座面クッションを足すときの、座る高さと足元の注意点
- 今の座り方が合っているか確かめるチェックリスト
ゲーミングチェアのクッションは必要?
使うかどうかを決める判断材料は、体格・座り方・チェアの構造の3つです。
クッションの役割と使うメリット
付属クッションの役割は、背もたれだけでは届きにくい腰や頭・首を支える補助です。
OSHA(米国労働安全衛生局)の椅子のガイドでは、背もたれが背骨の自然なカーブに沿い、腰をしっかり支えることが大切とされています。
腰を支える機能がない椅子なら、取り外し式の背中用クッションなどで一時的に補う方法も紹介されています。


たとえば、次のような場合です。
付属クッションは外してもいい?
取り外せる設計なら、外して使うのもひとつの選択肢です。
実際に、あるゲーミングチェアの取扱説明書では、ヘッドレストとランバーサポートを「お好みに応じて使用」するものとしています。ただし、固定方法や注意事項は製品ごとに違います。
外すときは、次の順番で確かめましょう。
-
01
取扱説明書を確認する
取り外しに関する注意事項を確認しましょう。手順の記載がなければ、メーカーに問い合わせてください。
-
02
外した状態で座り心地を確認する
背中や腰が背もたれにしっかり支えられているかを確かめましょう。
-
03
無理のない姿勢を保てるほうを選ぶ
付けた状態と比較して、自然な姿勢を保ちやすいほうを選びましょう。

外すと腰が浮いたり背中が丸まったりする場合は、外す前に位置や付け方を見直してみてください。
合わないクッションを、我慢して使い続ける必要はありません。
ゲーミングチェアのクッションは主に3種類
ゲーミングチェアで使うクッションは、主に腰用・首用・座面用の3種類です。役割も、調整で気をつける点もそれぞれ違います。
まずは3種類の違いを画像で確認しておきましょう。

腰を支えるランバーサポート
ランバーサポートは、腰(ランバー)を支えるためのパーツです。
座っていると崩れやすい腰の自然なカーブを、背もたれ側から支えます。

ゲーミングチェアのランバーサポートには、大きく分けて2つのタイプがあります。
| タイプ | 特徴 |
|---|---|
| 付属クッション式 | 腰用のクッションをベルトなどで背もたれに固定する。位置を動かしたり、外したりしやすい |
| 背もたれ内蔵式 | 背もたれの中に支えが組み込まれている。製品によっては高さや張り出しを調整できる |
たとえばSecretlabのTITAN Evoは、背もたれ側のランバーサポートを上下と前後に調整できる仕組みを採用しています。
付属クッション式は、厚みに注意しましょう。
厚すぎると、腰を支えるつもりがかえって姿勢を崩す原因になります。
頭や首を支えるヘッドレスト
ヘッドレストは、頭や首の後ろを支えるクッションです。
重い頭を背もたれ側で受け止めることで、首まわりの姿勢を保ちやすくします。

OSHAは、よい作業姿勢として、頭がまっすぐかわずかに前に傾く程度で、胴体とおおむね一直線になる状態を挙げています。
ヘッドレストは、この姿勢を邪魔しない位置で使うのが基本です。
使う場面は、ゲーム中や作業中だけではありません。背もたれを倒して休憩するときに、頭を預ける場所にもなります。
座ったときに、頭が前に押されていないかを一度確認しておきましょう。
お尻を支える座面クッション
座面クッションは、座面の上に敷いて使うクッションです。



敷くと、お尻や太ももへの当たり方が変わるだけでなく、クッションの厚みのぶん座る位置も高くなります。
市販品には、厚さ5〜6cmほどのものもあります。
足元の確認ポイントは、このあと「座面クッションは高さと足の接地を確認する」で紹介します。

ゲーミングチェアのクッションの正しい位置と使い方
クッションは決まった高さに置くものではなく、体格とチェアに合わせて、自然な姿勢を保てる位置に調整するものです。
座面の高さが変わると体の位置も変わるため、調整は次の順番で進めると迷いにくくなります。
- 座面の高さを調整する
- 背もたれに自然に体を預ける
- 腰用クッションの位置を調整する
- ヘッドレストの位置を調整する
- 圧迫や違和感がないか確かめる
ランバーサポートは腰のカーブに合わせる

OSHAの椅子のガイドでは、ランバーサポートの高さを調整して腰に合わせ、背もたれのふくらみが腰のくぼみに収まるようにすることが勧められています。


合わせるときは、次のポイントを押さえましょう。
押し出される感覚がなく、腰が支えられていると感じる位置が目安です。
ヘッドレストは頭や首の位置に合わせる

ヘッドレストは、背もたれにもたれたときに、頭や首の後ろを支えられる位置に合わせます。ただし、ちょうどよい位置はチェアの形状や座る姿勢によって変わります。
とくに分けて考えたいのが、ゲーム中・作業中と、背もたれを倒して休むときです。
| 姿勢 | 確認するポイント |
|---|---|
| ゲーム中・作業中 | 頭が前に押し出されていない。常に頭を押しつけておく必要はない |
| 背もたれを倒して休むとき | 頭や首の後ろを無理なく預けられる |
どちらの姿勢でも、頭が前に押される感じがあれば、上下の位置を動かして調整しましょう。
座面クッションは高さと足の接地を確認する

座面クッションを敷いたら、座ったまま次の3点をチェックしましょう。
各項目を確認してチェックしましょう
OSHAも、座面を下げられない場合はフットレストで足を安定させることや、座面の前の端が膝の裏に当たらないようにすることを挙げています。
腰への負担を減らすチェア選びについても知りたい方は、腰痛持ちにおすすめのゲーミングチェア7選もあわせて参考にしてください。
ゲーミングチェアのクッションが合わないときの対処法
クッションが合わないときは、取り付け位置・厚み・チェアの調整状態の順に見直しましょう。
まずは、今の症状から原因の当たりをつけてみてください。
| 症状 | 確認する原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| 腰が押される | 腰用クッションの位置が高い、または厚すぎる | 少しずつ下げる。厚みを見直す |
| 首が前に出る | ヘッドレストの位置が合っていない、または厚すぎる | 上下の位置を動かす |
| クッションがずれる | 固定ベルトがゆるい、留め方が合っていない | 取扱説明書どおりに留め直す |
| お尻が痛い | 座面の硬さやクッションの厚み、座る時間や姿勢 | 厚みや硬さを見直し、こまめに姿勢を変える |
| 足が床に届かない | 座面クッションの厚みで座る位置が上がった | 座面を下げる、フットレストを使う |
ここからは、とくに悩みの多い4つのケースを詳しく見ていきます。
腰用クッションが出っ張って邪魔な場合
腰用クッションが邪魔に感じるときは、原因が「高さ」なのか「厚み」なのかを切り分けると、直し方が見えてきます。
クッションを少しずつ下げ、押される感じが弱まる位置があるか試す
どの高さでも押される場合は、クッション自体が厚すぎる可能性がある
取り外せる製品なら、外した状態で座り、どちらが楽か比べる
押されたまま座り続けると、背中が背もたれから離れ、浅く腰かけた姿勢になりがちです。
違和感に気づいたら、早めに調整してみてください。
ヘッドレストが首に合わない場合
ヘッドレストの違和感は、位置が高すぎるか低すぎるかで感じ方が変わります。
- 高すぎる場合:後頭部が押され、頭が前に出やすくなる
- 低すぎる場合:首の付け根や肩のあたりに当たり、首まわりが落ち着かない
どちらも、まずは上下の位置を少しずつ動かして、頭が押されない位置を探します。厚みのせいでどこに付けても頭が前に出る場合は、ヘッドレスト自体が体に合っていない可能性があります。


座面クッションでお尻が痛くなる場合
お尻が痛いときは、まず座面クッションそのものをチェックします。
ただし、痛みの原因をクッションだけに決めつけないことが大切です。
OSHAは、座面の奥行きが体に対して短すぎるとお尻に圧が集中しやすいことや、どんなによい姿勢でも長時間同じ姿勢を続けるのはよくないことを挙げています。
座面の形、座っている時間、姿勢も関係している可能性があります。
クッションを見直しても不快感が続く場合は、その座面クッションの使用自体を見直しましょう。
調整しても合わない場合は外すことも検討する
位置や厚みを調整しても違和感が残るなら、次の3点を確かめてみてください。
OSHAは、座面の奥行きが長すぎると、小柄な人は膝の周りに圧がかかり、背中を背もたれで支えにくくなるとしています。
クッションの問題に見えて、実はチェアのサイズが合っていないケースもあるわけです。
クッションを外しても合わないときは、チェア自体が体に合っていない可能性があります。
チェア選びで注意したい点は、買ってはいけないゲーミングチェアの特徴で解説しています。
ゲーミングチェアのクッションを使うときの注意点
クッションだけに注目せず、座面・背もたれ・足元を含めた座る環境全体を確かめることが大切です。
ここでは、使い続けるうちに見落としやすい3つの注意点を紹介します。
厚いクッションで座面が高くなりすぎないようにする


座面が高すぎると足が支えられなくなったり、お尻が前にずれて背中が背もたれから離れたりしやすいです。
厚いクッションを足したときは、次の順で座る環境を整え直しましょう。
-
1
チェアの座面を下げて、クッションを足す前の座る高さに近づける
-
2
足元が安定しているか確かめる
※足の置き方は「座面クッションは高さと足の接地を確認する」を参照
-
3
座る位置が変わったぶん、デスクとの高さ関係も合わせ直す
座面を一番下まで下げても高すぎる場合は、クッションの厚みそのものを見直すタイミングです。
クッションのへたりや劣化を確認する
クッションは、使い続けるうちに少しずつ形が変わっていきます。
ときどき次の点をチェックしましょう。
- 押してもつぶれたまま戻らない、形が崩れている
- 片側だけ沈むなど、厚みにむらがある
- 固定ベルトやゴムバンドが伸びている、留め具が割れている
ゴムバンドは必要以上に引っ張ると伸びたり切れたりするおそれがあると、取扱説明書で注意しているメーカーもあります。
もう1つ大切なのが、クッションの劣化と、チェア本体の座面のへたりを分けて考えることです。
付属クッションを外しても座面が沈む、底付きする感じがあるなら、へたっているのはチェア本体かもしれません。
劣化が見つかったら、取扱説明書やメーカーの情報で、交換用パーツがあるかを確認しましょう。
チェア本体のへたりが気になる場合は、ゲーミングチェアの寿命と捨て方も参考にしてください。
痛みやしびれが続く場合は使用を見直す
クッションを調整しても痛みやしびれがある場合は、無理に使い続けないでください!
痛みやしびれの原因は、クッションだけとは限りません。
座り方や座っている時間、体の状態など、さまざまなことが関係している可能性があります。
同じ姿勢を続けないための工夫として、次のようなことを気を付けましょう。
- 椅子や背もたれを少し調整して、姿勢を変える
- 指・手・腕・体をストレッチする
- 定期的に立ち上がって、数分間歩く
痛みやしびれが続く場合は、医師などの医療専門職への相談を検討してください。

よくある質問
製品によっては、取扱説明書で体に当てる面やベルトを通す位置が決められています。
想定と違う向きで付けると、うまく固定できないこともあります。
製品によっては、カバーは洗えても、中身のクッション本体は水洗いできません。取扱説明書で、カバーは洗濯できる一方、本体は水に浸して洗えず、汚れは薄めた中性洗剤を含ませた布で拭き取るものもあります。
洗う前に、カバーの洗濯表示と取扱説明書を確認しましょう。
交換用のヘッドレストやランバーサポートを用意しているメーカーもあります。
交換用を探すときは、次の3点を確かめてください。
・メーカーが交換用パーツを提供しているか
・取り付け方式(ベルト式・マグネット式など)が、今のチェアに合うか
・サイズが、背もたれの幅や形に合うか
型番が分かると探しやすいので、取扱説明書や購入時の記録で確認しておくとスムーズです。
まとめ|ゲーミングチェアのクッションは体格と姿勢に合わせて使おう
今回は、ゲーミングチェアのクッションが必要かどうか、種類ごとの役割、正しい位置と使い方について解説してきました。
最後に、この記事のポイントを振り返ります。
この記事のポイント
- クッションは全員に必要なものではなく、体格や座り方に合うかで判断する
- 腰用・首用・座面用で、役割と調整の注意点が違う
- ちょうどよい位置は、体格とチェアの形によって変わる
- 合わないときは位置や厚みを調整し、それでも合わなければ外すことも検討する
- 座面クッションを足したら、座る高さと足裏の接地も確かめる


ゲーミングチェアのクッションは、決まった正解に合わせるものではなく、自分の体に合わせて調整していくものです。
今使っているクッションの位置を確かめて、自分の体に合う状態に整えていきましょう。









